第1回国際フルコンタクト空手道選手権大会 決勝日結果

5月19,20日にエディオンアリーナ大阪にて第1回国際フルコンタクト空手道選手権大会が開催された。
フルコンタクト空手界初の国内連盟となるJFKOを設立して、5年。2020年のフルコン世界大会へ向けて節目となる今年は、第1回国際大会をエディオンアリーナ大阪で開催し、世界23の国と地域から96名の海外選手を含めて史上最多となる502名が参加した。決勝日となる20日には男子の準々決勝~決勝と、女子の準決勝~決勝が行なわれ、初代国際大会チャンピオンが決定した。

男子軽量級-65kg

準々決勝では、前回大会チャンピオンの秋元皓貴(七州会)が敗れる波乱が起こった。秋元を本戦で下した河瀬惇志(新極真会佐賀筑後支部)に加え、岡﨑陽孝(新極真会千葉南支部)、寺崎昇龍(士衛塾)、松本充史(魚本流空手拳法連盟)がベスト4へ進出。岡﨑と寺崎の一戦は延長まで判定0-0という拮抗した展開となったが、最終延長で差をつけた岡﨑が決勝行きを決めた。河瀬と松本によるもうひとつの準決勝も互角の攻防が繰り広げられ、本戦は0-0。延長では松本が押しによる注意を取られたことが響いたか、河瀬が判定3-0で松本を振り切った。
新極真会同士の顔合わせとなった決勝戦は、接近戦となった際に河瀬のヒザが岡﨑の急所をとらえてしまい、注意1が宣告される。なおも接近戦で突きや下段蹴りを打ち合う両者だったが、河瀬が押しによる2つ目の注意をもらい、岡﨑が本戦5-0で優勝を決めた。昨年7月に開催された、新極真会第6回全世界ウエイト制空手道選手権大会で軽量級の世界チャンピオンに輝いた岡﨑がその実力を証明し、全階級最多の125名がエントリーした男子軽量級の頂点に立った。


優 勝 岡﨑陽孝(新極真会 千葉南支部)
準優勝 河瀬惇志(新極真会 佐賀筑後支部)
第3位 寺崎昇龍(士衛塾)
第3位 松本充史(魚本流空手拳法連盟)

男子中量級-75kg

第1回からJFKO全日本大会を3連覇している前田優輝(新極真会和歌山支部)は、最終延長までもつれる激闘の末、新鋭の後迫龍輝(新極真会大阪神戸湾岸支部)を下して準決勝進出。第4回大会チャンピオンの福地勇人(白蓮会館)は上段ヒザ蹴りで緑強志(新極真会福岡支部)から技有りを奪い、こちらもベスト4入りを決めた。その他、鳥原隆司(新極真会宮崎中央道場)と越智純貴(新極真会沖縄支部)が準決勝へ駒を進めた。準決勝第1試合は、前田が突きの連打からの飛び後ろ廻し蹴りで鳥原をぐらつかせる場面もあり、本戦4-0で勝利。延長戦に突入した福地と越智の一戦は、多彩な技で優位に立った福地が判定5-0で勝利し、大会連覇に王手をかけた。
JFKOチャンピオン対決となった決勝戦は、本戦0-0、延長は福地に旗が上がるも2本止まりとなり、勝負は最終延長へ。執拗に繰り出される福地の上段ヒザ蹴りをガードした前田は、突き連打から下段蹴りを放っていく。一方の福地は接近戦の際に中段ヒザ蹴りで圧力をかけ、前田に抱え込みによる注意1。前田は突きでガムシャラに前進するもタイムアップとなり、福地が4-1で大会連覇を達成した。2011年の新極真会第28回全日本ウエイト制大会で前田に敗れている福地にとっては、7年越しのリベンジをはたした格好となった。


優 勝 福地勇人(白蓮会館)
準優勝 前田優輝(新極真会 和歌山支部)
第3位 鳥原隆司(新極真会 宮崎中央道場)
第3位 越智純貴(新極真会 沖縄支部)

男子軽重量級-85kg

四隅のシードの前田勝汰(新極真会和歌山支部)、加藤大喜(新極真会愛知山本道場)、サラハト・ハサノフ(新極真会アゼルバイジャン支部)の3名が順当に準々決勝を勝ち上がった他、初日に前回チャンピオンの森田奈男樹(宮本道場)から勝利を収めた江口雄智(新極真会福岡支部)を島本一二三(新極真会広島支部)が延長で下し、準決勝へ進出。島本は勢いそのままに、新極真会第6回世界ウエイト制中量級チャンピオンのハサノフとの準決勝を最終延長5-0で制し、ファイナルへ駒を進めた。今回がじつに10度目となる前田と加藤のライバル対決は、得意の蹴り技で先手を奪った加藤が本戦3-0で前田に快勝。第3回JFKO全日本大会、第6回世界ウエイト制大会と2連敗中だった相手にリベンジをはたし、決勝行きを決めた。
加藤と島本の決勝戦は、加藤が左右の下突きから中段ヒザ蹴りで試合の主導権を握る。加藤は突きから流れるように外廻し蹴りへつないで技有りを奪い、本戦5-0で完勝を収めた。第2回JFKO全日本大会以来3年ぶりの優勝を決めるとともに、記念すべき初代チャンピオンの座に就いた。


優 勝 加藤大喜(新極真会 愛知山本道場)
準優勝 島本一二三(新極真会 広島支部)
第3位 サラハト・ハサノフ(新極真会 アゼルバイジャン支部)
第3位 前田勝汰(新極真会 和歌山支部)

男子重量級+85kg

準々決勝は島本雄二(新極真会広島支部)、入来建武(新極真会東京城南川崎支部)の優勝候補ふたりがそれぞれイリヤ・ヤコブレフ(新極真会カザフスタン支部)、マシエ・マズール(新極真会ポーランド支部)の海外勢を下して勝ち上がった他、亀山真(新極真会福岡支部)を破った落合光星(新極真会和歌山支部)、山本和也(新極真会東京東支部)から上段ヒザ蹴りで一本勝ちを収めたエドガー・セシンスキー(新極真会リトアニア支部)がベスト4入り。入来と落合の準決勝は、試合終盤にラッシュをかけた入来が本戦4-0で決勝進出。島本もセシンスキーを本戦4-0で下し、JFKOの舞台で宿命のライバル対決が実現することとなった。
両者はこれが通算8度目の対戦であり、新極真会の第46回全日本大会、第11回全世界大会、第48回全日本大会、第6回全世界ウエイト制大会重量級、第49回全日本大会に続き、6大会連続での決勝対決となった。両者一歩も譲らず、本戦は0-0。延長は突きの連打からヒザ、前蹴りで島本が攻勢をかけるも、入来も突き、下段蹴りで対抗し、判定は島本の1-0。最終延長は、終盤に入来が回り込みから突きとヒザでラッシュをかける。島本も突きとヒザで応戦したが、手数で上回った入来が5-0で勝利。昨年は2連敗を喫していた島本にリベンジをはたし、頂点に立った。


優 勝 入来建武(新極真会 東京城南川崎支部)
準優勝 島本雄二(新極真会 広島支部)
第3位 落合光星(新極真会 和歌山支部)
第3位 エドガー・セシンスキー(新極真会 リトアニア支部)

女子軽量級-50kg

準決勝は、突きと下段蹴りで優位に立った水谷恋(久保田道場)が、新極真会第6回世界ウエイト制大会女子軽量級チャンピオンの将口美希(新極真会愛知山本道場)から本戦4-0で勝利を収め、初の決勝行きを決めた。もうひとつの準決勝は、JFKO全日本大会女子軽量級4連覇をはたしている絶対女王・菊川結衣(芦原会館)が最終延長までもつれる激闘の末に成田麗(七州会)を下し、5連覇へ王手をかけた。
決勝戦は、回り込んで突きを連打する菊川に対し、水谷は直線的な動きで菊川を追撃し、突きを打ち合う。本戦0-0、延長は水谷に旗が1本上がったものの決着がつかず、勝負は最終延長へ。ここでも両者の勢いは衰えず突きと下段蹴りの応酬となったが、水谷が判定3-2で無敵の女王に土をつけ、うれしい初優勝を飾った。


優 勝 水谷 恋(久保田道場)
準優勝 菊川結衣(芦原会館)
第3位 将口美希(新極真会 愛知山本道場)
第3位 成田 麗(七州会)

女子中量級-55kg

初日から快進撃を続けた16歳の岡田葵(桜塾)が準決勝で吉村佳(空研塾)を破り、初優勝へ王手をかけた。もうひとつの準決勝は、新極真会第6回世界ウエイト制大会女子中量級チャンピオンであり、昨年の新極真会第49回全日本大会も制している南原朱里(新極真会福岡支部)が、第4回JFKO全日本大会女子中量級チャンピオンの富野真麻(飛心会)を本戦3-0で下し、ファイナルへ駒を進めた。
岡田と南原の決勝戦は至近距離での打ち合いとなり、本戦は判定0-0。延長戦でも互角の攻防が続いたが、ラスト20秒から南原がギアを上げる。突きからヒザで一気にラッシュをかけ、判定4-0で優勝をはたした。


優 勝 南原朱里(新極真会 福岡支部)
準優勝 岡田 葵(桜塾)
第3位 吉村 佳(空研塾)
第3位 富野真麻(飛心会)

女子軽重量級-60k

準決勝第1試合は、初出場ながら前回大会準優勝の久原沙姫(成心會福岡支部)を破って台風の目となった目代結菜(新極真会東京城南川崎支部)と、第1・2回JFKO全日本大会女子軽重量級チャンピオンの木村敬代(武立会館)が激突。木村が本戦4-0で目代を下して貫録を見せた。もう一方のブロックは、初日に優勝候補筆頭の荒木千咲(新極真会福岡支部)を破って勝ち上がった神谷優良(神谷塾)を浅古麗美(社団法人極真会館埼玉県木村道場)が本戦で破り、決勝進出を決めた。
決勝戦。浅古は突きや下段蹴りを中心に攻撃を繰り出していくが、木村は冷静に突き、ヒザ、下段蹴りで応戦し、徐々に木村のペースへ傾いていく。終盤に入ると、的確に技をヒットさせる木村の前に浅古が攻め手を欠く場面も見られ、木村が本戦4-0で優勝を飾った。


優 勝 木村敬代(武立会館)
準優勝 浅古麗美(社団法人 極真会館 埼玉県木村道場)
第3位 目代結菜(新極真会 東京城南川崎支部)
第3位 神谷優良(神谷塾)

女子重量級+60kg

第2・3回JFKOチャンピオンの佐藤弥沙希(新極真会和歌山支部)、第1・4回JFKOチャンピオンの久保田千尋(久保田道場)がそれぞれ野邑心菜(新極真会宮崎中央道場)、横山紀子(新極真会東京城南川崎支部)に準決勝で勝利を収め、優勝候補同士の決勝戦が実現。
本戦、延長ともに接近して突きと下段蹴りを打ち合う展開となったが、決着はつかず勝負は最終延長へ突入する。なおも突きと下段蹴りを放つ佐藤に対し、久保田は正拳突きと下突きを連打して手数で優勢となり、判定4-1で久保田に軍配が上がった。久保田にとっては、第2回、第3回JFKO全日本大会で連敗していた佐藤に3度目の対決で初勝利を収めるとともに、初代チャンピオンに輝いた。

強豪海外勢がこぞって参戦したものの、結果的には全階級を日本人選手が制し、空手母国の意地を見せた今大会。2020年に予定されているフルコンの世界大会へ向け、ワールドワイドな勢力争いからますます目が離せない。


優 勝 久保田千尋(久保田道場)
準優勝 佐藤弥沙希(新極真会 和歌山支部)
第3位 野邑心菜(新極真会 宮崎中央道場)
第3位 横山紀子(新極真会 東京城南川崎支部)

大会決勝動画



第1回国際フルコンタクト大会はスポーツ振興基金助成事業です。
また、第1回国際フルコンタクト大会ドーピング検査はスポーツ振興くじ助成を受けて行われています。



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