魚本尚久真「究極の理想は全試合一本魚本流の組手で頂点を目指します」

昨年は準決勝で敗れたものの、つねに一本を追い求める華麗な組手で“ 敗れてなお強し” を印象づけた。3連覇を逃したこともあり、今年のテーマは言うまでもなく王座奪還となる。瞬き厳禁とも言える戦慄の組手で、再び頂点の座を引き寄せる。
―― 前回大会は3度の注意が響き、準決勝での惜敗となりました。
「3連覇がかかっている中で、全体的に精神的にプレッシャーがあったのかなと思います。気負いすぎたと言いますか、気持ちが前に出すぎた部分がありました。突きが流れてしまう場面もありましたし、精神面が影響して反則につながってしまったのかもしれません」
―― 2日目は対戦相手が距離を詰めてくる場面が目立ちましたが、そのあたりはどうでしたか。
「山川(慧大)選手はもともとそういったスタイルなので想定内でしたが、わかっていながら攻略しきれなかったというのが正直なところだと思います。準決勝で当たった笹裏(健士朗)選手は、距離の取り方だったり中間距離の蹴りがすごく上手いと感じました」
―― 課題も見えた大会だと思いますが、調整内容で変化を加えた部分はありますか。
「いえ、もともと何かに特化して稽古をしているわけではないので、稽古内容もそうですが私生活も含め例年通り変わりなく過ごしてきました」
―― トーナメント表が発表されてからも、とくに心が動くことはなかったですか。
「そうですね。去年と変わらずエントリー数が61名ですが、自分自身は挑戦者として挑むだけですので、とくに何かを感じるようなことはなかったです」
―― 才能を持った若い選手が毎年出てくる階級ですが、研究の面での難しさなどはありますか。
「軽量級のリミットが60㎏未満になってから、新しい選手が多く出てきているというのは自分も感じている部分です。かつての紅谷(凱)選手や山川選手のように、自分が今知らないだけで強い選手が隠れている可能性も十分あると思っています」
―― その中であえてマークする選手を挙げるとすれば誰になりますか。
「自分側のブロックだと新里(誠光)選手や郷(遼久)選手。あとは初めて出場する大浪(玄暉)選手など、例年通り内枠と端のシードの選手はマークしています」
―― 当然ながら魚本選手は全選手からマークされる形となります。
「ありがたいことですが、自分自身も四つ角と内枠の選手だけをマークすればいいとは思っていません。誰が相手であっても初戦から気を抜くことはないです」
―― 澤井天心選手が魚本選手を倒しての連覇を目標に掲げています。
「そう言っていただけるのは、率直にすごくうれしく思います。ただ自分も対戦したいと思っていますが、決勝戦だけを見据えていると足をすくわれると思いますので、初戦から一戦一戦集中して闘うことが重要だと思います」
―― 王座返り咲きをはたす上で、必要になるものは何でしょうか。
「去年見えた精神面の課題ですね。ただ冷静すぎてもダメだと思いますので、そのへんのさじ加減は難しいです」
―― その中で今年も全試合一本を目指す気持ちに変わりはないでしょうか。
「やはり究極の理想は、全試合一本というところに行きつきます。接近戦の中でも上段の技が出せるように、そこは意識してやっていきたいと思います。去年は3連覇を逃して3位に終わったので、王座奪還ではないですが今年も魚本流の空手で頂点を目指します」