第6回全日本フルコンタクト空手道選手権大会・最終日

5月29日~30日の2日間にわたり、昨年5月から延期となっていた第6回全日本フルコンタクト空手道選手権大会(JFKO全日本大会)が、エディオンアリーナ大阪で開催された。緊急事態宣言下での開催となったが、無観客、定期的なアルコール消毒など感染症対策を徹底。大会最終日は、男子5階級の準々決勝~決勝、女子4階級の準決勝~決勝が行なわれた。

【男子軽量級】


準々決勝戦では、ゼッケン1を背負った速水大輝が紅谷凱に延長2-3で惜敗。最終ゼッケンの魚本尚久真は澤井天心に本戦3-0で勝利を収めた他、四隅シードの郷遼久、笹裏健士朗も準決勝進出を決めた。
準決勝第1試合は、郷と紅谷が対戦。突きと下段で激しく打ち合う好勝負となり、再延長3-2で紅谷が接戦を制した。もうひとつの準決勝は魚本が笹裏に突き連打で優勢となり、本戦4-0で第1シードから決勝進出をはたした。
紅谷と魚本の決勝は、魚本が突き、ヒザ、後ろ蹴りで紅谷のボディへ攻撃を集中し、ペースを握る。ラスト20秒に入ると魚本はさらに回転を上げて中段廻し蹴りや上段廻し蹴りで攻め立て、本戦5-0で完勝。危なげない内容でトーナメントを駆け抜け、軽量級の頂点に立った。


【男子軽中量級】


2018年の第1回JFKO国際大会、2019年の第5回JFKO全日本大会の軽量級準優勝の実績があり、最終ゼッケンを背負った河瀬惇志は、福地将人に本戦4-0で快勝。対抗の大野篤貴も糸谷佳幸に本戦4-0で勝利し、第5回大会に続いてベスト4入りをはたした。その他、神谷定と山﨑亮輝も準決勝に勝ち上がった。
岩多と大野の準決勝第1試合は本戦で決着がつかず、勝負は延長へ。終盤にともに回転を上げて勝負に出るが、突きの手数で岩多がまさり判定3-0で初のファイナリストとなった。優勝候補筆頭の河瀬は準々決勝後にドクターストップがかかったため、無念の棄権。河瀬と対戦予定だった山﨑が不戦勝で決勝へ進んだ。
岩多と山﨑の決勝戦は甲乙つけがたい打ち合いが展開され、本戦、延長ともに判定は0-0。マスト判定の再延長も突きと下段蹴りを中心に互角の打ち合いが続いたが、山﨑が3-2で勝利。新設された軽中量級の初代王者に輝いた。


【男子中量級】


ディフェンディング王者の後迫龍輝は、平木楓と激突。両者一歩も譲らぬ接戦の末、延長3-2で後迫が辛勝を収めた。第4回JFKO全日本&第1回JFKO国際大会中量級王者の福地勇人は越智純貴に延長5-0で勝利。第5回JFKO全日本大会中量級3位の石野源太郎、𠮷澤穂高も準決勝に駒を進めた。
𠮷澤と福地の闘いとなった準決勝第1試合は、本戦で1本、延長で2本の旗が福地に上がるも決定的な差はつかず、勝負はマスト判定の再延長へ。ラスト20秒からの打ち合いで確実に突きとヒザ蹴りをヒットさせた福地が、判定5-0で勝利。第1回国際大会以来3年ぶりに決勝へ進出した。後迫と石野による準決勝第2試合も再延長までもつれたが、ラスト30秒からの打ち合いの手数で優位に立った後迫が5-0で激闘を制し、2大会連続のファイナリストとなった。
両者1勝1敗で迎えた福地と後迫のチャンピオン決勝対決は、本戦、延長ともに判定0-0と両者決め手がないまま再延長へ突入。中盤から福地の左中段廻し蹴りが何度か後迫のボディをとらえ、終盤の突きとヒザの打ち合いでも福地がわずかに優勢となり、判定5-0で福地が第5回JFKO全日本大会で後迫に敗れたリベンジをはたすとともに、JFKO大会で3度目の優勝を飾った。


【男子軽重量級】


第5回JFKO全日本大会軽重量級ファイナリストで最終ゼッケンを背負った江口雄智は、賀数拓海から上段廻し蹴りで技有りを奪い本戦5-0で完勝。渡辺和志は亀井元気を、湯川智仁は髙橋扶汰を、鳥原隆司は藤原将二郎をそれぞれ本戦5-0で下し、新極真会勢がベスト4を占めた。
準決勝第1試合は本戦終盤に下突きからのヒザ蹴りで渡辺を押し込んだ湯川が判定5-0で快勝。初の決勝進出をはたした。もうひとつの準決勝は、突きから前蹴りへつなぐコンビネーションが冴えた江口が本戦5-0で鳥原に完勝を収め、2大会連続のファイナル進出を決めた。
決勝戦は終始、江口のペースで進んだ。序盤から突きや前蹴り、ヒザ蹴りで攻勢にまわると、攻め手を緩めず突きと前蹴りを連打して湯川をコート際まで追いつめる。そのまま本戦が終わり、江口が判定5-0で完勝し悲願のビッグタイトルを獲得した。


【男子重量級】


男子重量級は準々決勝で波乱が起こった。第4回&第5回JFKO全日本大会重量級王者の山口翔大は、渡辺優作に延長2-3で敗北。3連覇はならなかった。一方、対抗に入った第1回JFKO国際大会重量級王者の入来建武は芦髙侑平に本戦3-0で勝利を収めた。その他、四隅のシードに入った第5回JFKO全日本大会重量級4位の後藤優太、第4回JFKO全日本大会重量級準優勝の亀山真はともに本戦5-0で勝利を収め、準決勝進出をはたした。
第5回JFKO全日本大会重量級の3位決定戦以来、2度目の激突となった入来と後藤の準決勝は、今大会屈指の死闘となった。本戦序盤から左下段廻し蹴りで猛攻を仕掛けた後藤が技有り寸前まで入来を追い込んだが、これを気力でしのいだ入来が本戦の終盤から右の下段廻し蹴りで巻き返し、旗は後藤に2本。延長に入ると後藤の動きが急失速し、入来が右下段廻し蹴りで攻め立てて判定5-0で激勝。もうひとつの準決勝は、それまでのダメージからか亀山の右下段廻し蹴りで渡辺の動きが止まり、判定5-0で勝利した亀山が4年ぶりに決勝進出を決めた。
入来と亀山の決勝戦は、序盤から突きと下段蹴りで激しく打ち合った。終盤までは互角の内容だったが、ラスト30秒に入ると亀山がラッシュをかけて攻勢にまわり、本戦4-0の判定でJFKO大会初優勝を飾った。


【女子軽量級】


準決勝第1試合は手島海咲と小嶋夏鈴の新極真会対決となった。本戦終盤、手島が突きと下段蹴りで優位に立ち、判定3-0で2017年の第4回大会以来のファイナル進出。もうひとつの準決勝は、第1回JFKO国際大会軽量級王者の水谷恋が突きと下段を軸に攻勢にまわり、清水未来を本戦4-0で退けた。
手島と水谷の決勝は、本戦で1本、延長で2本の旗が水谷に上がり、的確に突きと下段蹴りをヒットさせた水谷優位のままマスト判定の再延長へ突入した。序盤は気合いを発して下突きと下段蹴りを打ち込む水谷が攻勢にまわったが、手島は中盤から息を吹き返すとラスト20秒からガムシャラに突きと下段蹴りを打ち込み、判定3-2で大逆転勝利。悲願のJFKO初制覇を成し遂げた。


【女子中量級】


準決勝第1試合は第4回JFKO全日本大会中量級王者の富野真麻と新鋭の冨村日花が激突。突きと下段蹴りで圧力をかけて優位に立った富野が、本戦3-0で勝利を収めた。準決勝第2試合は石野まことと吉田優輝の対戦となり、延長戦終盤に突きと下段蹴りで攻勢にまわった石野が判定3-0で吉田を退け、初の決勝行きを決めた。
接近戦での打ち合いとなった富野と石野の決勝戦は、富野が胸への打ち下ろしと下突きを打ち分けて手数で優位に立つ。石野も突きと下段蹴りで反撃するが、富野が攻め手を緩めず手数で上回り、本戦3-0で4年ぶりに王者へ返り咲いた。


【女子軽重量級】


準決勝第1試合は第1・2回JFKO全日本大会軽重量級&第1回JFKO国際大会王者の木村敬代が神谷優良を迎え撃った。本戦終盤に左の下段廻し蹴りを連打して攻撃をまとめた木村が判定3-0で勝利。第5回JFKO全日本大会軽重量級王者で連覇を狙う浅古麗美は、延長終盤に突きと下段でやや優位となり、目代結菜を判定3-0で撃破。本命ふたりが決勝に駒を進めた。
決勝戦は、浅古が序盤から下段蹴りや前蹴りで積極的に攻める。木村も突きや下段蹴りを返していくが、浅古がやや攻勢となり本戦3-0で勝利。第1回国際大会の決勝戦で敗れたリベンジをはたすとともに、大会連覇を達成した。


【女子重量級】


準決勝第1試合は、第4・5回JFKO全日本大会重量級で3位の実績がある野邑心菜が鴨宮菜々花を左下突きとヒザ蹴りで攻め立て、本戦4-0で初のファイナル行きを決めた。もうひとつの準決勝は、第4・5回JFKO全日本大会重量級準優勝の藤原桃萌が渡辺小春と激突。延長に突入した勝負は渡辺が突きの手数で優勢となり、判定4-0で決勝に進出した。
昨年11月の新極真会第52回全日本大会以来の対戦となった野邑と渡辺の決勝戦は、胸への突きでやや優勢となった渡辺に本戦で2本の旗が上がる。延長戦もともに一歩も引かず激しい打ち合いとなったが、渡辺が胸への突き連打で攻勢にまわり、判定3-0で勝利。野邑に連勝を収めるとともに、JFKO初出場で初優勝という快挙を達成した。

■男子軽量級
優 勝 魚本尚久真(魚本流空手拳法連盟)
準優勝 紅谷 凱(極真拳武會 城南品川支部)
第3位 郷 遼久(無限勇進会)
第3位 笹裏健士朗(聖武会館)

■男子軽中量級
優 勝 山﨑亮輝(水滸會丈夫塾)
準優勝 岩多陽勇(全真会館)
第3位 大野篤貴(武奨館)
第3位 河瀬惇志(新極真会 佐賀筑後支部)

■男子中量級
優 勝 福地勇人(白蓮会館)
準優勝 後迫龍輝(新極真会 大阪神戸湾岸支部)
第3位 𠮷澤穂高(新極真会 東京城南川崎支部)
第3位 石野源太郎(桜塾)

■男子軽重量級
優 勝 江口雄智(新極真会 福岡支部)
準優勝 湯川智仁(新極真会 群馬支部)
第3位 渡辺和志(新極真会 世田谷・杉並支部)
第3位 鳥原隆司(新極真会 宮崎中央道場)

■男子重量級
優 勝 亀山 真(新極真会 福岡支部)
準優勝 入来建武(新極真会 東京城南川崎支部)
第3位 後藤優太(空手道MAC)
第3位 渡辺優作(新極真会 世田谷・杉並支部)

■女子軽量級
優 勝 手島海咲(新極真会 神奈川東横浜支部)
準優勝 水谷 恋(久保田道場)
第3位 小嶋夏鈴(新極真会 江戸川道場)
第3位 清水未来(桜塾)

■女子中量級
優 勝 富野真麻(白蓮会館)
準優勝 石野まこと(桜塾)
第3位 冨村日花(新極真会 神奈川東横浜支部)
第3位 吉田優輝(新極真会 川崎東湘南支部)

■女子軽重量級
優 勝 浅古麗美(社団法人 極真会館 埼玉県木村道場)
準優勝 木村敬代(武立会館)
第3位 神谷優良(神谷塾)
第3位 目代結菜(新極真会 東京城南川崎支部)

■女子重量級
優 勝 渡辺小春(武奨館)
準優勝 野邑心菜(新極真会 世田谷・杉並支部)
第3位 鴨宮菜々花(武立会館)
第3位 藤原桃萌(新極真会 福岡支部)

勝ち上がり結果

第6回全日本フルコンタクト空手道選手権大会はスポーツ振興基金助成事業です。



第6回全日本フルコンタクト空手道選手権大会ドーピング検査はスポーツ振興くじ助成申請活動です。

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