── 渡辺選手個人の話で言えば、すでに新極真会世界大会の出場権はつかんでいます。それでもエントリーを決めた理由は何だったのでしょうか。
「最初は出場しない予定でしたが、あらためて世界大会に向けて何が一番強くなるのかを考えました。その時にJFKO 全日本大会に出場することが一番強くなると思いましたので迷うことなく出場を決めました」

── あえて一番厳しい道を選んだということですね。
「JFKO に出場したほうがキツいということはわかっていますが、自分に打ち勝つためには必要なことだと思いました。エントリーを決めた時点でまずはその時点の自分には勝てたので、さらに強い心を持てるようにしっかりと稽古で追い込みました。大会前にひとつハードルをクリアしたことで、確実に前に進めたと思っています」

── 話せる範囲で構いませんが、重点的に磨いた部分はどこでしょうか。
「昨年末の全日本大会が反則負けという形で終わってしまい、すごく心残りの部分がありました。フィジカルとかではなく、日常生活の部分から隙があったのだと思います。ですので、まずは自分に勝つために、稽古の中で1 ミリも手を抜かないということを意識しました」

── 以前、「鋼のメンタルを手に入れたい」というコメントもありましたが、そこに近づいている実感は得られていますか。
「自分に負けないということを稽古中につねに意識すれば、それが自信となって組手の時にも余裕が生まれます。そういう面では成長を実感する部分もあります」

── メンタル以外の部分で進化を感じる部分はありますか。
「３月の新極真会の日本代表合宿で、コーチの方々がさまざまな技術を教えてくださいました。その技術を道場に持ち帰って継続的に稽古を積んでいますし、自分たちのオリジナルに変換するなど工夫も加えています。メンタル面だけではなく、技術面も確実に上がっていると思います」

── 準決勝戦がひとつの壁となっています。今大会こそはという思いも強いのではないでしょうか。
「入来建武選手が出場しないというのもありますし、新極真会が王座を獲らなければいけないという気持ちが強くあります。全階級制覇を掲げている以上、重量級は自分が必ず獲りたいと思います」

── マークする選手はいますか。
「重量級に出場する選手はだいたいわかっていますので、トーナメント表は軽く確認したくらいで特別な意識を持つことはありませんでした。ただ、決勝戦に上がってくる可能性が高いであろう後藤優太選手、多田大祐選手などの他流派の強豪選手はもちろん警戒しています」

── 先ほどお話に出ましたように後藤選手との試合が不完全燃焼で終わっていますので、決勝の舞台で再戦を望まれる気持ちもあるかと思います。
「もちろん意識する部分はあります。その上で後藤選手の対策をしっかりやれば自ずと世界大会に向けての外国人対策にもなると思っているので、そういった意味ではすべてが順調に進んでいると思っています」

── 入来選手が出場しないということも強く意識されますか。
「そこまで大きくは考えていないですけど、しっかり自分がやらなければいけないという気持ちは持っています。まずは自分がやるべきことをまっとうして、そこをしっかり体現することができれば自ずと王座も獲れると思っています」

── では最後にあらためて今大会に向けての決意をお願いします。
「つね日頃から勝ちますと言っていますが、今回はいつも以上に応援してくださる方々に恩返しをしたいという気持ちが強いです。感謝の気持ちを示すことができるように、全力で大会に臨みたいと思います」

所属：新極真会 世田谷・杉並支部
第6・7 回JFKO 全日本大会重量級3 位（2021 ～ 2022年）
新極真会第7 回全世界ウエイト制大会重量級3 位（2022年）
ダイヤモンドカップ2018 重量級優勝（2018年）
新極真会第53・54 回全日本大会4 位（2021 ～ 2022年）

第8回全日本フルコンタクト空手道選手権大会
【開催日】5月20日（土）・21日（日）
【会場】エディオンアリーナ大阪
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