FULLCONTACT KARATE EXPO 2025・初日

5月31日~6月1日の2日間にわたり、「FULLCONTACT KARATE EXPO 2025」が東京・有明アリーナで開催されている。男女全10階級で流派・団体の垣根を越えた統一世界チャンピオンを決する「第1回全世界フルコンタクト空手道選手権大会(WFKO世界大会)」をはじめ、「第2回国際フルコンタクト空手道選手権大会(JFKO国際大会)」、「第1回国際シニアフルコンタクト空手道選手権大会(JFKO国際シニア大会)」と、3つの大会が同時開催されるだけではなく、空手関連のパビリオンも展示されるなど、フルコンタクト空手の博覧会と呼べるビッグイベントだ。

初日となった5月31日は7コートに分かれて試合が行なわれ、午前中は国際シニア大会、午後は世界大会の男子一~二回戦、女子一回戦~準々決勝、国際大会は全階級一回戦~準決勝までが行なわれた。初日の激闘の模様をお届けする。

【第1回国際シニアフルコンタクト空手道選手権大会】
40歳以上を対象としたこの大会は、27階級に総勢274名がエントリー。一般部門とマスターズ部門という2つの部門が設けられ、マスターズ部門にはかつて一般部の世界大会や全日本大会で活躍した往年の名選手も顔を揃えた。

マスターズ部門の男子40歳以上50歳未満軽量級は、工藤一彦(武道教育センター優至会)が決勝で池田慎哉(新極真会東京四谷道場)を下して優勝。同重量級は、菅原一訓(日本実戦空手道七州会)を延長5-0で下した金鍾吉(一般社団法人極真会館関西総本部)が制覇。男子50歳以上60歳未満軽量級は、越智勝(空手道北心会)が鈴木啓之(新極真会静岡支部)を決勝で撃破してV。同重量級決勝は石川裕雄(日本実戦空手道七州会)が渡辺英樹(新極真会厚木・赤羽支部)を本戦5-0で退け、頂点に立った。

女子40歳以上50歳未満軽量級決勝は、釘嶋典子(総極真選手会)が谷口亜翠佳(新極真会東京ベイ港支部)を延長で破り優勝。同重量級は、新極真会第12回世界大会準優勝の実績を誇るインガ・ミクスタイテ(新極真会リトアニア支部)が決勝で横田加代子(日本空手道野地道場)を下し、貫録のV。ワンマッチ決勝となった女子50歳以上60歳未満軽量級は、砂川久美子(新極真会東京お茶の水支部)が福井真弓(新極真会愛知中央支部)を破って頂点に立った。同重量級決勝は、林敬子(日本伝空手道陪劭流祐心会)が村井由紀(新極真会福岡支部)を退け、優勝を飾った。

【第1回全世界フルコンタクト空手道選手権大会】
〈男子軽量級〉
不戦勝で2日目に進出した紅谷凱(極真拳武會さいたま浦和支部)をはじめ、ミンディア・ムゲラゼ(新極真会ジョージア支部)、新里誠光(武立会館)、ミハイロ・ナウムチク(新極真会ウクライナ支部)など、有力選手が勝ち上がる順当な結果となった。

〈男子軽中量級〉
軽量級同様に、こちらも四隅のシード選手が全員勝利を収めた。前平斗真(新極真会福岡支部)はホセ・ゴンザレス(新極真会コスタリカ支部)に反則勝ち。その他、アンドレイ・ズィンチェンコ(新極真会ジョージア支部)、大坪裕希(新極真会福岡支部)、アリギスマト・ハサノフ(新極真会アゼルバイジャン支部)も2日目に駒を進めた。

〈男子中量級〉
最終ゼッケンを背負った福地勇人(白蓮会館)は、ミラド・ポルジャファリ・ジョルジャフキ(新極真会イラン支部)に本戦5-0で完勝を収め、準々決勝進出。その他、ラシャ・オズベテラシヴィリ(新極真会ジョージア支部)、𠮷澤穂高(新極真会東京城南川崎支部)、アントン・ジマレフ(新極真会カザフスタン支部)もベスト8入りを決めた。

〈男子軽重量級〉
トップシードの金岡陽大(新極真会川崎東湘南支部)は初戦となった二回戦で、ジョエル・ビロドウ(新極真会カナダ支部)に本戦で勝利。もうひとりの優勝候補であるダヴィット・ムスカラゼ(新極真会ジョージア支部)、四隅に位置する片桐大也(極真拳武會本部)、ヨナス・ロジン(IFKスウェーデン支部)も揃って勝利を収めた。

〈男子重量級〉
多田大祐(白蓮会館)は初戦となった二回戦でヴェセリン・ファルツォフ(新極真会ブルガリア支部)に延長5-0で勝利。対抗に位置するエヴェンタス・グザウスカス(新極真会リトアニア支部)はマイケル・コルデイロ(貫励会カナダ支部)を本戦3-0で下し、両優勝候補が揃って2日目に進出。多田成慶(新極真会福岡支部)、ゴデルジ・カパナーゼ(新極真会ジョージア支部)も順当に勝利を収め、ベスト8入りをはたした。

〈女子軽量級〉
最終ゼッケンを背負った清水由埜(桜塾)が順当にベスト4進出をはたした一方、対抗に入ったブリジタ・スヴィンクナイテ(新極真会リトアニア支部)が初戦で敗れる波乱が起こった。スヴィンクナイテに勝利したのは、澤井ナノ(新極真会東京城南川崎支部)。その勢いで続く準々決勝も勝利し、ベスト4入り。アロナ・フェレスニアク(新極真会ウクライナ支部)を準々決勝で撃破した山中咲和(新極真会高知支部)、四隅に入った森みいな(成心會福岡支部)も2日目への進出を決め、ベスト4を日本勢が独占した。

〈女子軽中量級〉
この階級も軽量級同様、日本勢がベスト4を独占する結果となった。最終ゼッケンを背負った富野真麻(白蓮会館)は準々決勝でアンナ・イズデブスカ(新極真会ウクライナ支部)に勝利。準々決勝でマリアム・ツィクラウリ(新極真会ジョージア支部)を破った小嶋夏鈴(新極真会東京江戸川支部)、同じく準々決勝でテオナ・ガズデリアーニ(新極真会ジョージア支部)を下した水谷藍(久保田道場)、四隅に入った石野まこと(桜塾)の4人が準決勝進出をはたした。

〈女子中量級〉
優勝候補筆頭の水谷恋(久保田道場)が順当に準決勝行きを決めた一方、ヨーロッパチャンピオンのリリ・メゾ(新極真会ハンガリー支部)は準々決勝で井上ほの花(新極真会東京城南川崎支部)に敗れ、初日で姿を消した。その他、四隅に入った漢鈴那(新極真会佐賀筑後支部)、ヴァレンス・ビケル(KWFオランダ支部)も2日目に駒を進めた。

〈女子軽重量級〉
優勝候補筆頭に挙げられていた久保田千尋(久保田道場)が、準々決勝でベルタ・スザライ(新極真会ハンガリー支部)に敗れる大波乱が起こった。対抗に位置するイヴァンカ・ポポヴァ(新極真会ブルガリア支部)、目代結菜(新極真会東京城南川崎支部)、網川来夢(新極真会福岡支部)が準決勝進出を決めた。

〈女子重量級〉
新極真会の無差別級世界女王・鈴木未紘(新極真会厚木・赤羽支部)が初戦、準々決勝をともに本戦5-0で突破し、体重別世界タイトル獲得へ好発進を決めた。その他、女子の最強外国人であるブリジタ・グスタイタイテ(新極真会リトアニア支部)、藤原桃萌(新極真会福岡支部)、アリーナ・オシペンコ(新極真会カザフスタン支部)がベスト4入りをはたした。

【第2回国際フルコンタクト空手道選手権大会】
第9回全日本フルコンタクト空手道選手権大会(JFKO全日本大会)のベスト4が不在ということもあり、新星の台頭が多く見られた。

〈男子軽量級〉
ともに第9回JFKO全日本大会ベスト8の山川彗大(全日本空手道真誠塾)と手島一翔(新極真会神奈川東横浜支部)が準決勝で激突し、山川が勝利。反対のブロックは17歳の大坪星太(新極真会福岡支部)が快進撃を見せ、準決勝では石綿元(極真拳武會さいたま浦和支部)を破って決勝行きを決めた。

〈男子軽中量級〉
水谷翔(久保田道場)が準決勝で田中勇利(極真会館千葉田中道場)を退け、ファイナル進出。反対のブロックは、これが一般部の全国デビューとなる高校1年生のスーパールーキー・村田哲成(新極真会福岡支部)が破竹の勢いで年長者をなぎ倒し、準決勝では神原詠二(新極真会世田谷・杉並支部)を撃破。フレッシュな決勝戦が実現することとなった。

〈男子中量級〉
準決勝で藤田春人(新極真会福岡支部)を退けた大場健吾(空手道無限勇進会)が決勝進出。反対のブロックは北嶋治将(新極真会東京城南川崎支部)が準決勝で細川昂大(新極真会大阪神戸湾岸支部)を下し、決勝に駒を進めた。

〈男子軽重量級〉
この階級はトップシードふたりが順当に決勝進出をはたした。過去にJFKO全日本大会を3度制している前田勝汰(新極真会和歌山支部)は準決勝で大場孔揮(空手道無限勇進会)に勝利。反対のブロックは第6回JFKO全日本大会軽重量級チャンピオンの江口雄智(新極真会福岡支部)が準決勝で鳥原隆司(新極真会宮崎中央支部)を退け、チャンピオン同士の対戦が実現することとなった。

〈男子重量級〉
世界大会に出場していてもおかしくない実力者も顔を揃えたこの階級。準決勝では新極真会空手Champion of Championsの初代チャンピオン・岡田侑己(新極真会和歌山支部)が新鋭の髙橋耕介(新極真会世田谷・杉並支部)に貫録勝利。反対のブロックは最終ゼッケンを背負った遠田竜司(新極真会東京江戸川支部)が工藤昂朗(新極真会世田谷・杉並支部)に敗れる波乱が起こった。

〈女子軽量級〉
準決勝で金城杏奈(一般社団法人極真会館沖縄県支部)を破った15歳の河村奈々(新極真会福岡支部)と、岩口紗藍(清凛館)を下した16歳の西山空那(空會館)による現役高校生決勝が実現することとなった。

〈女子軽中量級〉
新極真会のウエイト制世界女王・宇都宮美咲(新極真会大阪神戸湾岸支部)が強さを見せ、準決勝で漢由依奈(新極真会佐賀筑後支部)を撃破。反対のブロックは最終ゼッケンを背負った渡部はるあ(蒼天塾)が佐々木葵(新極真会愛知中央支部)を下し、決勝進出をはたした。

〈女子中量級〉
準決勝は新極真会第7回世界ウエイト制大会中量級女王の冨村日花(新極真会神奈川東横浜支部)が村上莉菜(新極真会大阪東部支部)を、第8回JFKO全日本大会中量級3位の伊藤煌彩(新極真会世田谷・杉並支部)が加藤えみ(日本空手道連盟聖心會)を撃破し、ファイナルへ駒を進めた。

〈女子軽重量級〉
児玉亜瑞(新極真会大阪神戸湾岸支部)が準決勝で大塚未夢(新極真会徳島北東あわじ支部)を下し、反対のブロックは松田理央(総極真選手会)が戸川夕渚(新極真会東京城南川崎支部)を退け、2日目に進出した。

〈女子重量級〉
1年半ぶりの試合復帰となった野邑心菜(新極真会世田谷・杉並支部)が準決勝で山本妃莉(正道会館)を下し、もうひとつの準決勝ではベテランの木村敬代(武立会館)が鈴木愛心(新極真会愛知中央支部)を退け、過去にJFKOチャンピオンに戴冠した者同士の決勝が実現することとなった。

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