第10回記念全日本フルコンタクト空手道選手権大会・最終日

5月30日~31日の2日間にわたり、「第10回記念全日本フルコンタクト空手道選手権大会(JFKO全日本大会)」が、東京・京王アリーナTOKYOで開催された。男女各5階級の体重別日本一をかけたこの大会。最終日となった5月31日は、男子は準々決勝戦~決勝戦、女子は準決勝戦から決勝までが行なわれ、計10名のチャンピオンが決定した。ここでは最終日の激闘の模様をお届けする。
〈男子軽量級〉
最終日の幕開けとなった男子軽量級は、波乱の展開になった。準々決勝第1・2試合において、第1回WFKO世界大会準Vの新里誠光が川北海斗に、第2回国際大会王者の大坪星太が新田万季人に敗北。残るベスト4にはWFKO世界大会王者の澤井天心、第2回国際大会3位の手島一翔が強さを見せて勝ち上がった。準決勝第1試合では、アップセットを演出した川北と新田が激突し、新田が本戦4-0で決勝へ。準決勝第2試合では澤井が手島とのジュニア時代から続くライバル対決を制し、ファイナル進出を決めた。
決勝は新田と澤井が熱戦を繰り広げた。澤井はフットワークを使いつつ、突きや下段蹴りを新田に見舞っていく。新田も鋭い突きや長身を活かしたヒザ蹴りで応戦するが、接近戦での攻防の中で2度の注意(押し)を課されてしまう。澤井は最後まで攻めの姿勢を崩さず、本戦3-0で2度目のタイトル獲得を成し遂げた。

〈男子軽中量級〉
準々決勝は神谷定、村田哲成、神原詠二、大坪裕希が突破。JKJO全日本大会、JFKO全日本大会・国際大会、WFKO世界大会といった舞台で入賞歴を持つ面々がベスト4に名乗りを上げた。準決勝第1試合では神谷と村田が激突し、狙いすました蹴りや突きの連打を繰り出した村田が、本戦4-0で勝利。もう一方の準決勝では神原と大坪が対峙し、熱戦を制した大坪が本戦5-0で決勝へ進出した。
決勝は、新極真会福岡支部の先輩・後輩対決となった。村田はミドルレンジの蹴り、接近戦でも突きや下段蹴りで攻め立てる一方で、大坪は胸への突きを力強く決め、一歩も譲らない攻防を展開。打ち合いの中、大坪は後ろ廻し蹴りなど大技も放ちつつ、本戦終盤も胸への突きを徹底。先輩の意地を見せた大坪が、初となるビッグタイトルを手中に収めた。

〈男子中量級〉
男子中量級の準々決勝では北嶋治将、後迫龍輝、𠮷澤穂高、前平斗真と、シード選手が順当な勝ち上がりを見せた。準決勝第1試合では、第2回国際大会王者の北嶋と、第5・7回大会王者の後迫が対峙。力強い下段蹴りと胸への突きで押し切った北嶋が、本戦3-0で決勝進出を決めた。準決勝第2試合では、第7・8・9回大会準Vの𠮷澤と、第9回大会軽中量級王者の前平が激突。本戦3-1と接戦を制し、前平が決勝へ駒を進めた。ファイナルで相まみえた北嶋と前平は、接近戦での激しい打ち合いを展開。胸への突きや下段蹴りなど、重厚な組手を持ち味とする北嶋を相手に、階級アップで中量級初挑戦となる前平は一歩も譲らず、下段蹴りやヒザ蹴りで北嶋の圧力を跳ね返す。北嶋に2度の注意(押し)が課されたことも響き、前平が本大会での二階級制覇を達成した。

〈男子軽重量級〉
第9回大会王者の金岡陽大が、準々決勝で樋口和真を退けベスト4へ進出。鳥原隆司、芦高侑平、WFKO世界大会準Vの塚本慶次郎といった実力者たちも4強に名を連ねた。準決勝第1試合では、終盤にギアを上げた金岡が鳥原を下し、決勝へ進出。準決勝第2試合では、ヒット&アウェイや怒涛のラッシュで芦高を翻弄した塚本が、本戦5-0でファイナルに駒を進めた。決勝は金岡と塚本が対峙。距離を詰めて攻撃を繰り出す金岡に、塚本は接近戦を余儀なくされたが、下段カカト蹴りなどの技巧で金岡に対抗。本戦終盤、塚本がラスト30秒で一気にギアを上げ、突きとヒザでラッシュをかける。応戦する金岡を振り切り、本戦4-0で初優勝を達成した。なお、塚本には表彰式で文部科学大臣賞が贈られた。

〈男子重量級〉
最終ゼッケンを背負ったWFKO世界大会王者・後藤優太は、堀之内陽逞との準々決勝に臨んだ。注目の一戦は本戦序盤、互いの下段蹴りが交錯し、後藤が倒れ込む事態に。判定は堀之内の一本勝ちとなり、後藤は担架でコートを後にすることとなった。さらには新極真会第1回空手Champion of Champions王者であり、第2回国際大会を制した岡田侑己が鈴木皓大に敗れ、男子重量級は波乱含みの展開となった。残る4強の2席は、全日本大会・国際大会で優勝歴を持つ前田勝汰を下した遠田竜司(前田には顔面殴打で重いダメージを負わせたとして、注意2が課された)と、第9回大会軽重量級準Vの片桐大也を突破した髙橋耕介となった。
準決勝第1試合では、髙橋と鈴木が激突。序盤から打ち合いが展開され、ラスト30秒で攻勢に出た髙橋が初のファイナル進出を決めた。準決勝第2試合では、遠田と堀之内が激突。力強い突き、蹴りのぶつかり合いを制し、遠田が本戦4-0で決勝へ駆け上がった。決勝は髙橋と遠田が対峙し、開始早々全力で打ち合いを展開。技の応酬の最中、遠田は力強い下段廻し蹴りを連打し、髙橋から技有りを奪取。その後も顔面殴打で注意1こそ課されたが、髙橋の力強い攻めにも屈せず、最後まで攻撃の姿勢を貫く。本戦5-0で遠田に軍配が上がり、優勝トロフィーとともに第2回KCCの出場権を獲得した。

〈女子軽量級〉
女子は準決勝から最終日の闘いが始まった。女子軽量級の準決勝第1試合では、細谷希花と澤井ナノが対峙。本戦終盤に回転を上げた澤井が勝利を手にした。第2試合では清水由埜と森みいながライバル対決を展開し、打ち合いを制した森がファイナル進出を決めた。決勝はWFKO世界大会でも対戦している、澤井と森が激突。試合場の中央で力強い突きやヒザ蹴りを交換し合い、両者一歩も引かない激闘となる。しかし、打ち合いの中で澤井に2度の注意が課されたことも響き、本戦5-0で森が優勝。4度目の出場にして、渇望した本大会での初優勝を引き寄せた。

〈女子軽中量級〉
女子軽中量級では、準決勝第1試合で宇都宮美咲と渡部はるあが激突。まわり込みからの突きなどで優勢となった渡部が、本戦5-0で第2回国際大会決勝のリベンジをはたした。準決勝第2試合では冨村日花と酒井希羽が火花を散らし、接近戦の最中で冨村に注意2が課されたこともあり、酒井に軍配が上がった。決勝では初優勝を巡り、渡部と酒井が激突。開始早々から激しい技の応酬が展開され、本戦0-1で勝負は延長戦へ。終盤は互いに足を使いながら、コート中央で火の出るような打ち合いを繰り広げる。結果、熱戦を制した渡部が、延長4-0で悲願の頂点へ登り詰めた。

〈女子中量級〉
女子中量級も熱戦となった。準決勝第1試合では、井上ほの花と伊藤煌彩が対峙。突きと下段蹴りで攻め立て、ラスト30秒で回転を上げた井上が決勝へ進出した。準決勝第2試合では、今大会が一般部全国デビューとなった鈴木成実と細谷誉が対戦。得意の上段横蹴りでけん制しつつ、接近戦も制した鈴木がファイナリストに名乗りを上げた。決勝では悲願の初優勝を狙う井上と、快進撃を続ける鈴木が対峙。鈴木は立ち上がりから上段横蹴り、対戦相手の死角から繰り出す内廻し蹴りなどでペースを握る。井上も力強い突きや下段蹴りなどで応戦するが、主導権を握るには至らず、鈴木が本戦4-0で勝利。初のJFKO全日本大会でこの上ない結果を残した。

〈女子軽重量級〉
女子軽重量級の準決勝第1試合では、目代結菜と神谷優良が対決。熱戦の末、本戦4-0で目代がファイナルに進出した。もう一方の準決勝は、石綿千乃との闘いを制した網川来夢が勝ち上がり、決勝で目代・網川のライバル対決が確定した。ファイナルではその両者が、開始早々に突きやヒザ蹴りで激しい攻防を展開。前回、ふたりがWFKO世界大会決勝で対戦した際は、目代が2度の顔面殴打による注意2を取られていた。今大会で目代は、ボディ攻めを攻撃の主軸に据え、打ち合いの中での反則を防ぎつつ、着実にダメージを積み上げる。本戦、延長と僅差で決着が着かず、勝負は最終延長へ。長身から繰り出す網川の足技に屈せず、最後まで攻めの姿勢を貫いた目代が、悲願のビッグタイトルを獲得した。

〈女子重量級〉
女子重量級では、野邑心菜と藤原桃萌が準決勝第1試合で拳を合わせ、激闘を延長5-0で制した藤原が決勝へ。準決勝第2試合は連続優勝記録を更新中の女王・鈴木未紘が、遠田朝香との闘いを本戦5-0で危なげなく勝ち上がり、ファイナリストが出揃った。決勝は今まで、幾度となく大舞台で拳を合わせてきた藤原と鈴木が激突した。試合はコート中央で突きや下段蹴りの応酬となり、盤石の組手を見せた鈴木が本戦5-0で優勝。女子中量級を制した妹・成実とともに姉妹優勝を達成し、自身の連続優勝記録を「9」に伸ばした。

なお、熱戦の合間には少年部による演武が披露された他、第5回全日本青少年フルコンタクト空手道選手権大会(JFKO青少年大会)で入賞をはたした、「カラテトレジャーズ」が紹介された。


【各階級の入賞者は下記の通り】
第10回記念全日本フルコンタクト空手道選手権大会
■男子軽量級
優 勝 澤井天心(新極真会 東京城南川崎支部)
準優勝 新田万季人(極真会館 浜井派)
第3位 手島一翔(新極真会 練馬支部)
第3位 川北海斗(新極真会 滋賀中央支部)

■男子軽中量級
優 勝 大坪裕希(新極真会 福岡支部)
準優勝 村田哲成(新極真会 福岡支部)
第3位 神原詠二(新極真会 世田谷・杉並支部)
第3位 神谷 定(神谷塾)

■男子中量級
優 勝 前平斗真(新極真会 福岡支部)
準優勝 北嶋治将(新極真会 東京城南川崎支部)
第3位 𠮷澤穂高(新極真会 東京城南川崎支部)
第3位 後迫龍輝(新極真会 大阪神戸湾岸支部)

■男子軽重量級
優 勝 塚本慶次郎(新極真会 世田谷・杉並支部)
準優勝 金岡陽大(新極真会 川崎貝塚道場)
第3位 芦髙侑平((一社)国際空手道連盟 極真会館 大阪浪速道場)
第3位 鳥原隆司(新極真会 宮崎中央支部)

■男子重量級
優 勝 遠田竜司(新極真会 東京江戸川支部)
準優勝 髙橋耕介(新極真会 世田谷・杉並支部)
第3位 堀之内陽逞(新極真会 福岡支部)
第3位 鈴木皓大(新極真会 大阪神戸湾岸支部)

■女子軽量級
優 勝 森みいな(成心會 福岡支部)
準優勝 澤井ナノ(新極真会 東京城南川崎支部)
第3位 清水由埜(桜塾)
第3位 細谷希花(新極真会 埼玉大宮西支部)

■女子軽中量級
優 勝 渡部はるあ(新極真会 福岡支部)
準優勝 酒井希羽(日本実戦空手道 七州会)
第3位 冨村日花(新極真会 神奈川東横浜支部)
第3位 宇都宮美咲(新極真会 大阪神戸湾岸支部)

■女子中量級
優 勝 鈴木成実(新極真会 厚木・赤羽支部)
準優勝 井上ほの花(新極真会 東京城南川崎支部)
第3位 細谷 誉(新極真会 埼玉大宮西支部)
第3位 伊藤煌彩(新極真会 世田谷・杉並支部)

■女子軽重量級
優 勝 目代結菜(新極真会 東京城南川崎支部)
準優勝 網川来夢(新極真会 福岡支部)
第3位 石綿千乃(極真武道空手連盟 極真拳武會 さいたま浦和支部)
第3位 神谷優良(神谷塾)

■女子重量級
優 勝 鈴木未紘(新極真会 厚木・赤羽支部)
準優勝 藤原桃萌(新極真会 福岡支部)
第3位 遠田朝香(新極真会 東京江戸川支部)
第3位 野邑心菜(新極真会 世田谷・杉並支部)

