第4回全日本フルコンタクト空手道選手権大会結果

5月13・14日に開催された第4回全日本フルコンタクト空手道選手権大会の結果です。

男子結果入りトーナメント表
女子結果入りトーナメント表

女子軽量級-50kg


女子最多の32名がエントリーした軽量級は、第1回大会から3連覇を続け、今大会では選手宣誓も務めた絶対女王・菊川結衣(芦原会館)の4連覇達成なるかに注目が集まった。菊川は準々決勝までの3戦をすべて本戦で勝利すると、準決勝では前回大会軽量級3位で、2年連続の対戦となった大本優香(七州会)を本戦で下し、盤石の内容で勝ち上がった。

もう一方のブロックでは、前回大会軽量級準優勝で、打倒・菊川の一番手と見られていた成田華(七州会)が初日で姿を消す波乱が起きた。代わって菊川への挑戦権をつかんだのは、第2回大会軽量級3位の手島海咲(新極真会神奈川東横浜支部)。準々決勝では水谷恋(久保田道場)を、準決勝では2016年世界組手連盟(W.K.O)世界大会中量級王者であり、準々決勝で成田を破った長島小夏(正援塾)を最終延長で下し、初の決勝進出をはたした。

本戦は素早い左右のステップから突きを放ち続ける手島の前に、菊川はめずらしく突きを空振りする場面も見られたが、延長戦では破壊力抜群の突きが手島をとらえはじめ、5-0で完勝。かつてないほどのプレッシャーを跳ねのけ、前人未到の4連覇を達成した。



優 勝 菊川結衣 芦原会館
準優勝 手島海咲 新極真会 神奈川東横浜支部
第三位 長島小夏 正援塾
第三位 大本優香 七州会

女子中量級-55kg


女子中量級は、第3回大会中量級3位の富野真麻(飛心会)、第2回大会軽量級準優勝で第3回大会同3位の大場ももか(無限勇進会)の第1シード2人が、順当に決勝進出をはたした。富野は準々決勝で拳聖塾の田渕涼香を、準決勝では2015年JKJO全日本大会中量級準優勝の山口遥花(仰拳塾)を最終延長で下して勝ち上がった。

対する大場は、準々決勝で2016年極真会館(松井章奎館長)全日本ウェイト制大会軽量級3位の寺澤侑記(若獅子會)を、準決勝では二回戦で吉沢なつみ(新極真会東京城南川崎支部)を破った漢由依奈(拳栄会館)を撃破し、決戦を迎えた。

延長戦に突入した勝負は、両者スピードのある攻防を繰り広げたが、大場が押し2つで注意2を取られ、富野が判定5-0で初優勝を決めた。



優 勝 富野真麻 飛心会
準優勝 大場ももか 無限勇進会
第三位 山口遥花 仰拳塾
第三位 漢由依奈 拳栄会館

女子軽重量級-60kg


女子軽重量級は、四隅のシード選手が準決勝までに姿を消す展開となった。波乱を演出したのは、成心會福岡支部の久原沙姫と極真会館浜井派の新田華子。久原は準々決勝で前回大会軽重量級3位の勝田仁美(誠會)を撃破して波に乗ると、準決勝では前回大会軽重量級3位の小玉さつき(武心会)を下して勝ち上がった、石原凜々(新極真会岡山東支部)に本戦で勝利。

一方の新田は、3大会連続中量級3位で優勝候補筆頭の浅古麗美(社団法人極真会館埼玉県木村道場)を準々決勝で破り、準決勝では第2回大会軽重量級3位の諸石優花(新極真会福岡支部)も撃破。久原、新田ともに初の決勝行きを決めた。

本戦、延長ともに0-0で迎えた最終延長は、接近して突きを打ち合う大接戦となる。判定は3-2で新田。ノーマークから一躍、シンデレラガールとなった。



優 勝 新田華子 極真会館 浜井派
準優勝 久原沙姫 成心會 福岡支部
第三位 石原凜々 新極真会 岡山東支部
第三位 諸石優花 新極真会 福岡支部

女子重量級+60kg


女子重量級は、第1回大会重量級王者で第3回大会重量級準優勝の久保田千尋(久保田道場)、第1・2回大会軽重量級王者で第3回大会重量級3位の木村敬代(武立会館)が抜けた存在と見られていたが、準決勝で2強の一角である木村が崩れた。破ったのは、2016年新極真会全日本大会4位の実績を持つ藤原桃萌(新極真会福岡支部)。久保田は準決勝で野村心菜(新極真会宮崎市中央道場)を下し、順当に決勝へ駒を進めた。

決勝戦は接近して突きと内股蹴りを打ち合う展開となり、両者譲らぬまま延長戦に突入。延長は久保田が藤原のボディに突きを集中させると徐々に藤原の手数が減り、判定3-0で久保田が勝利。3年ぶり2度目となる栄冠をつかんだ。



優 勝 久保田千尋 久保田道場
準優勝 藤原桃萌 新極真会 福岡支部
第三位 木村敬代 武立会館
第三位 野邑心菜 新極真会 宮崎市中央道場

男子軽量級-65kg


全階級最多の114名がエントリーし、毎年のように新星が台頭してきた男子軽量級は、2014年KWF世界大会軽量級王者であり、今大会4強の一角・山田伊寿実(桜塾)が初戦で敗れる波乱で幕を開けたが、第1回大会軽量級王者の大石航輝(芦原会館)、第2回大会軽量級準優勝、前回大会3位の秋元皓貴(七州会)、前回大会軽量級準優勝の竹中達哉(成心會福岡支部)の3人は揃って準決勝へ進出した。

秋元は四回戦でJFKO初参戦となった極真拳武會川崎元住吉支部の遊佐隆介を、準々決勝では第1回大会軽量級3位の久原聖矢(龍士會)を下し、準決勝では第2回大会の準々決勝に続いて大石に勝利。悲願の頂点獲りへ王手をかけた。

もう一方のブロックは、前回大会ベスト8の寺崎昇龍(士衛塾)が快進撃を見せる。四回戦で門口佳佑(新極真会大阪北摂支部)を下し、準々決勝では山田を破って勝ち上がった緒方莉空(成心會福岡支部)に延長判定勝ち。準決勝では前回大会の準々決勝で敗れていた竹中にリベンジをはたし、初のファイナル進出をはたした。

決勝戦は本戦0-0で延長戦を迎える。突きと下段蹴りにヒザも交えて攻撃を仕掛ける秋元に対し、寺崎も下がらずに応戦するが、やや秋元が優勢となり判定3-0で勝利。元・WBCムエタイ日本フェザー級王者であり、キックボクシングで19戦無敗という輝かしい実績を残した男が、自身の原点となる空手でも大きな勲章を手にした。



優 勝 秋元皓貴 七州会
準優勝 寺崎昇龍 士衛塾
第三位 大石航輝 芦原会館
第三位 竹中達哉 成心會 福岡支部

男子中量級-75kg


昨年まで男子中量級を3連覇していた絶対王者・前田優輝(新極真会和歌山支部)が不在の同階級は、初日から波乱が起こった。前回大会中量級ベスト8の其原太一(新極真会大阪東部支部)がまさかの初戦敗退。前回大会中量級3位の山田哲也(山田道場)は顔面殴打のアクシデントで失格となった。

相次いで有力選手が姿を消していく中、2人と同じブロックから勝ち上がったのは、新極真会福岡支部の緑武士。準々決勝では御宮知慎悟(誠會)を、準決勝ではベテランの髙野優希(新極真会世田谷・杉並支部)を下し、大躍進となる決勝進出をはたした。

もう一方のブロックは、白蓮会館の福地勇人が意地を見せた。福地は世界組手連盟(W.K.O)世界大会を2度制すなど実績では抜けた存在と言えるが、JFKOは第2・3回ともに入賞を逃しており、鬼門となりかけていた。初戦となった二回戦で新極真会カラテドリームフェスティバル8連覇の後迫龍輝を下すと、三回戦では2014年極真会館(松井章奎館長)全日本ウェイト制大会軽量級王者の亀井元気(若獅子會)を撃破。その後も和田聖瑠(新極真会鹿児島中央森道場)、都木航佑(群馬支部)の若手実力者を破り、準決勝では前回大会中量級ベスト8で優勝候補の一角・木下毅顕(武心塾)を下した田中裕也(山田道場)に勝利。

決勝戦は福地が間合いを取り、緑が攻撃の隙をうかがう静かな立ち上がりとなったが、終盤に差し掛かると福地が一気呵成に突きとヒザでラッシュ。本戦3-0で勝利を収め、3度目の挑戦で頂点に立った。試合後には「目標はこの先にあります」と、新極真会無差別級大会への出撃を宣言した。



優 勝 福地勇人 白蓮会館
準優勝 緑武士 新極真会 福岡支部
第三位 田中裕也 山田道場
第三位 髙野優希 新極真会 世田谷・杉並支部

男子軽重量級-85kg


男子軽重量級は、第2・3回大会軽重量級で3位入賞をはたし、上位2人がいない今大会での必勝を誓って臨んだ森田奈男樹(宮本道場)が安定した組手で勝ち上がった。準決勝では、前回大会でも対戦した第2回大会中量級3位の藤原将二郎(新極真会福岡支部)に連勝を収め、悲願のJFKO王者へ王手をかけた。

対照的に、反対のブロックは波乱が起こる。前回大会軽重量級3位で森田と並ぶ優勝候補と目されていた島本一二三(新極真会広島支部)が、今大会直前に第6回全世界ウエイト制の日本代表に追加選抜され、同大会に集中するためJFKOを欠場。誰が勝ち上がってもおかしくない状況の中、初出場の泉魁斗(極真会館浜井派)が旋風を巻き起こした。三回戦で小林佑司(魚本流空手拳法連盟)を破って最終日へ駒を進めると、準々決勝では2015、2016年JKJO全日本大会重量級王者の大石昌輝(星和会館)、準決勝では今年3月の新極真会全九州大会を制している岡田秀一(新極真会長崎支部)を立て続けに破り、ノーシードからファイナルへ進出した。

本命VSダークホースの決勝戦は、森田がペースを握った。手数では負けていなかった泉だが、突きと下段蹴りのパワーで森田が泉を圧倒。本戦で差をつけ、判定5-0で悲願の初制覇をはたした。



優 勝 森田奈男樹 宮本道場
準優勝 泉魁斗 極真会館 浜井派
第三位 岡田秀一 新極真会 長崎支部
第三位 藤原将二郎 新極真会 福岡支部

男子重量級+85kg


男子重量級は、2016年世界組手連盟(W.K.O)世界大会重量級準優勝の実績を持つ、白蓮会館の山口翔大が快進撃を見せた。準々決勝で前回大会重量級3位の河鰭郁也(新極真会千葉南支部)を本戦5-0で下すと、続く準決勝では第2回大会重量級3位の長野義徳(新極真会兵庫中央支部)も撃破。新極真勢を連破し、初の決勝進出をはたした。

もう一方のブロックでは、前回大会重量級3位でゼッケンのラストナンバーを背負った内藤貴継(白蓮会館)が清水翔希(新極真会千葉南支部)に準々決勝で敗れ、今年も優勝はお預けとなった。準決勝は、芦髙侑平(社団法人極真会館関西総本部)を破って勝ち上がった亀山真(新極真会福岡支部)と清水による、新極真会同士の対戦となった。亀山は2015年新極真会全世界大会日本代表の意地を見せ、これを本戦5-0で突破。初のJFKO制覇へ王手をかけた。

決勝戦は互いに死力を尽くす熱戦となった。本戦、延長ともに決着がつかず、勝負は最終延長へ突入。至近距離で突きや内股蹴り、内股へのヒザ蹴りを打ち合う中、終盤に差し掛かったところで山口が突きでラッシュをかける。亀山も回転を上げて応戦し接戦となったが、判定は3-2で山口。僅差の激闘を制し、JFKO初優勝を飾った。



優 勝 山口翔大 白蓮会館
準優勝 亀山真 新極真会 福岡支部
第三位 長野義徳 新極真会 兵庫中央支部
第三位 清水翔希 新極真会 千葉南支部

第4回全日本フルコンタクト空手道選手権大会はスポーツ振興基金助成事業です